天眞堂氣功鍼灸院 の日記
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無為自然
2020.06.01
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中学生の頃、書店で立ち読みをよくしていた。そんな時に目に留まったのが「老子」の開設本だった。そこには“無為自然”が説かれ、水のように生きる老子の思想が書かれていた。なるほど!と頭で納得していたものの、本当の意味を実感として理解することはできなかったのは当然。鍼灸という仕事を30年近くしてきて、ようやく、その意味を実感できるようになってきた。治療者が“治そう”とするのは有為であり、それには限界がある。矛盾しているようだが、治そうとしないと治る。自然に治る。治そうとする気持ちが邪気になって治癒力を妨げてしまうわけです。つまり、治そう、治りたい、治すという執着心を捨てて、そうならなければならないでもかまわないという気楽な気持ちでいると、病気は早く治ります。これは治療する側も、治療を受ける側も同じです。